クレプトマニア(窃盗癖)

クレプトマニアとは?

クレプトマニアとは,窃盗癖などとも呼ばれていますが,個人的に用いるものでも,または金銭的価値のあるものでもないのに,物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返されてしまうという精神障害です。

 

何度逮捕されても,社会的地位があっても,十分なお金があっても,捨ててしまうものであっても,万引きをするのが止められない。

そのような場合には,クレプトマニアかもしれないと疑った方がいいかもしれません。

 

 

クレプトマニアの特徴

クレプトマニアの方も,盗みたいという衝動がおかしいものであることに気づいていますし,盗む行為が悪いことだということも十分認識しています。

逮捕されることを恐れ,盗んだことで罪悪感を抱くこともよくあります。

 

過食症や拒食症といった「摂食障害」をはじめとして,「気分障害」,「不安障害」,「人格障害」などがクレプトマニアに伴っていることもよくあります。

傾向として,女性に多い傾向があると言われています。

 

 

クレプトマニアの診断基準

クレプトマニアの診断基準として,以下のものが用いられています。

 

基準 内容
A 個人的に用いるものでもなく,またはその金銭的価値のためでもなく,物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される。
B 窃盗におよぶ直前の緊張の高まり。
C 窃盗を犯すときの快感,満足,または解放感。
D 盗みは怒りまたは報復を表現するためのものでもなく,妄想または幻覚に反応したものでもない。
E 盗みは,行為障害,躁病エピソード,または反社会性人格障害ではうまく説明されない。

 

 

弁護活動のポイント

クレプトマニアであっても,万引きの被害者がいらっしゃいますので,まずは被害弁償をしなければなりません。

それを前提として,クレプトマニアは精神障害ですから,「刑罰による矯正教育」をいくら施したところで,何の意味もありません。

 

むしろ,専門的な医療機関と連携し,医学的な見地からクレプトマニアと向き合わなければなりません。

クレプトマニアの方に必要なのは,刑罰ではなく治療であると当事務所では考えています。

 

当事務所では,専門的な医療機関へご紹介し,クレプトマニアを治療するための環境整備のお手伝いをさせていただいております。

 

なお,検察官から,上記基準のAに当たらないという主張がされることがありますが,A基準は広義に解釈すべきであるとされています。

また,同じように「収集癖」がないと主張されることもありますが,収集癖は現在ではいわゆる「ためこみ障害」として独立の精神障害とされています。