執筆者

弁護士法人ルミナス 

弁護士 佐々木 さくら が執筆しました。

保釈の実務

逮捕され、勾留された場合、その後起訴されてからも身体拘束が続きます。

起訴後に保釈請求をした結果、保釈許可決定が出て、保証金を裁判所に預けることができれば釈放されます。

裁判官(裁判所)は、保釈請求がなされると検察官の意見を聞きます。検察官は、黙秘されている事件や、事実関係に争いがある事件、事件関係者が複数存在する事件等については、保釈許可決定を出すことに強く反対してくることが多いです。

しかし、必ずしも、そのような事件で保釈許可決定が出ないわけではありません。

最終的には、裁判官(裁判所)の判断に委ねられており、被告人、身柄引受人の努力、環境調整の結果、訴訟進行の程度等の事情によって、判断が変わり得ます。

 

保証金

保証金は、裁判所に預けるお金です。

保証金額は、犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければなりません(刑訴法93条2項)。

基本的には、指定条件に違反すること(刑訴法96条1項5号参照)が無ければ、判決言い渡し後数日で、返還されます。

保証金の金額は、執行猶予判決が見込まれる事件でも、150万円以上に定められることが多いです。

 

指定条件

保釈許可決定がなされる際に、指定条件が定められることがあります(刑訴法93条3項)。

一般的な指定条件は次の通りです。

 

被告人は、【制限住居地】に居住しなければならない。

住居を変更する必要ができたときは、書面で裁判所に申し出て許可を受けなければならない。

召喚を受けたときは、必ず定められた日時に出頭しなければならない(出頭できない正当な理由があれば、前もって、その理由を明らかにして、届け出なければならない。)。

逃げ隠れしたり、証拠隠滅と思われるような行為をしてはならない。

3日以上の旅行をする場合には、前もって、裁判所に申し出て、許可を受けなければならない。

海外渡航をしてはならない。

事件関係者に対し、直接または弁護人を除く他の者を介して面接、通信、電話等に夜一切の接触をしてはならない。

本件につき公判期日の召喚状、保釈許可決定謄本等裁判所から郵便で送達される書類については、保釈制限住居地で受領すべきはもちろんのこと、不在時に配達された場合には、速やかに集配局に出頭する等の方法に依り、必ず受領しなければならない。

 

これらの条件に違反すると保釈が取り消され、保証金も没収されることがあります。

 

 

まとめ

自分の刑事裁判であるにもかかわらず、身体拘束を受けたまま臨むことになるのは、あまりにも不公平です。

特に、無実の場合には不利益が大きすぎます。誤った身体拘束を受けるリスクは誰にでもあります。

また、罪を犯してしまっていたとしても、勾留は刑罰ではないのですから、謙抑的に運用されるべきです。

勾留期間は、必ずしも全ての期間が刑期に算入されるわけではありません。

私たちは、様々な提案と環境調整を行い、できる限り保釈請求が認められるように努力して参ります。