執筆者

弁護士法人ルミナス 
弁護士 中原 潤一 が執筆しました。

平成29年法改正の影響

平成29年法改正前に「強姦罪」と規定されていた刑罰は、平成29年法改正によって、「強制性交等罪」という刑罰に生まれ変わりました。「強姦罪」の際には、「膣性交」だけが強姦罪として処罰され、それ以外の口腔性交や肛門性交は強制わいせつ罪として処罰されていました。しかし、この法改正により、口腔性交や肛門性交も膣性交と同じように強制性交等罪として処罰されることになりました。

何より影響があるのが、処罰が重くなったことです。

強姦罪は「3年以上の有期懲役」でしたが、強制性交等罪は「5年以上の有期懲役」に刑が引き上げられました。これに伴い、強制わいせつ罪として処罰されていた口腔性交や肛門性交は、「6月以上10年以下」だった法定刑が一気に「5年以上の有期懲役」に引き上げられたことになります。執行猶予は「3年以下の懲役刑」にしか付けられませんから、口腔性交や肛門性交を含めた強制性交等罪は、原則として実刑判決になるということになります。

 

 

示談しても執行猶予が付かない

平成29年の法改正により、刑の下限が引き上げられたことにより、裁判所が下す判決も、以前よりも顕著に重くなりました。

以前は、強姦罪(例えば、路上で知らない人を相手とした強姦罪)でも、初犯であり、被害者の方と示談が成立すれば、執行猶予付きの判決となっていました。それは、以前は法定刑の下限が、執行猶予付きの判決を付すことが可能になっていたからです。しかし、現在の強制性交等罪の法定刑の下限は、上記の通り執行猶予付きの判決を付すことができませんので、示談をしても実刑判決となる事例が増えています。これは、口腔性交でも肛門性交でも変わりません。被害者が示談書で「許す」という文言を含めた、いわゆる宥恕付きの示談が成立した場合でも変わりません。強制性交等の被害に遭われた方が、「許す」という意思を表示している場合であっても、現在では執行猶予付きの判決にはならない場合が多いです。もちろん、被害者が「許す」としている場合には、量刑が低くなるという意味で有利ではありますが、現在では、それでも実刑とする判決が多くなっています。

 

 

上記を前提にした弁護活動

そのような裁判所の量刑傾向を前提にすると、裁判になってから示談をして執行猶予付きの判決を狙うというのは、かなり厳しくなっています。そうすると、捜査段階で、被害者の方に誠心誠意謝罪をし、それを受け入れていただき、裁判にしないことを希望していただくことが、現状あるべき弁護活動と言えます。そうすれば、検察官が裁判にせず、不起訴とすることがありますので、刑務所に入れられるということはなくなります。

当事務所では、そのような弁護活動の結果、被害者の方に謝罪を受け入れていただき、検察官が不起訴としたケースが複数件あります。強制性交等罪は、現状、捜査段階でそのような活動をすることが、刑務所に行かない最適な弁護活動です。そのためには、早い段階からご相談、ご依頼をいただく必要があります。

強制性交等罪の疑いをかけられている方、ご家族がそのような状態にある方は、いち早く当事務所にご相談ください。

 

 

強制性交等罪の詳しい解説

強制性交等罪の詳しい解説については、こちらのページをご覧ください。