累犯について

コラム

2019.09.12

目次

1.累犯って?
2.累犯とは
3.常習犯とは
4.法律上執行猶予がつけられないケース
5.勾留については別問題!

 

 

累犯って?

 累犯って、あまり聞きなれない言葉ですよね。

 ただ、クレプトマニア等の理由で、刑事処罰を受けているのに犯罪を繰り返してしまう方の中には、これに当たってしまう方がいます。

 法律上の累犯や再犯に該当してしまうと、かなり厳しい闘いを強いられることになってしまいます。

 その前提として、それぞれがどういうもので、どのような縛りが法律上設けられているかを見てみましょう。

 

 

累犯とは

累犯(再犯)は重い刑罰が予定されている

 累犯とは、犯罪を繰り返すことのうち、一定の要件を満たすことによって刑が加重されるものをいいます。

 累犯には、下に記載しているように、①再犯、②三犯以上の累犯という二種類があります。

 累犯に科される刑は、その罪について定めた懲役の長期の2倍以下です(刑法57条)。

 累犯の刑が加重される根拠については、1度刑を科したにもかかわらず再度犯罪を繰り返したという点に強い非難が加えられるなからとする見解と、犯罪を繰り返す行為者の反社会的な危険性に対して、保安的観点から対処をすべきであるという見解、そして、双方の見解から説明する見解があります。

 累犯は大きく分けて、再犯と三犯以上の累犯に条文が分かれていますが、犯罪を繰り返すのが2回目なのか、3回目以上なのかという違いのみで、刑の加重の程度に差はありません。

 いずれにせよ、長期が2倍まで跳ね上がってしまう、非常に重い処罰が予想されてしまうと言えるでしょう。

 

再犯に当たるケース

 再犯とは、主に、懲役に処せられた者がその執行を終わった日またはその執行の免除を得た日から5年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときをいいます(刑法56条1項)。この5年は、刑の執行が終わった日の翌日から起算されます(最高裁昭和57年3月11日判決)。前科を少年のときに起こした場合であっても、再犯の適用があります(大審院大正15年6月23日判決)。なお、執行猶予になった犯罪と、その執行猶予期間中に犯した犯罪は累犯関係には立ちません(最高裁昭和24年12月24日判決)。

 

三犯以上の累犯に当たるケース

 三犯以上の者についても再犯の例とする、と規定されているのが、再犯以上の累犯です(刑法59条)。

 つまり、上記の再犯の状態が3回以上続く場合を言います。

 三犯以上の累犯として再犯の規定が適用されるためには、例えば、三犯の場合だと、初犯と再犯、再犯と三犯、そして初犯と三犯との間で全て再犯の要件を満たしていることが必要です。

 

 

常習犯とは

 やや似たものの中に、常習犯というものがあります。

 常習犯とは、ある特定の罪について繰り返し犯罪を行った者に対して加重した刑を科する場合をいいます。常習して犯した場合に、特別重くする法律が別途存在するのが常習犯です。犯罪を反復して犯すとう意味においては。累犯と常習犯は密接な関係にありますが、同一の概念ではなく、必ずしも両者の範囲が一致するわけではありません。

 常習犯の例としては、常習賭博罪(刑法186条1項)や常習累犯窃盗・強盗(盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律3条)があります。常習賭博罪については、再犯の要件を満たす場合には、累犯加重の規定が適用されるとした判例があります(最高裁昭和44年9月26日決定)。

 

 

法律上執行猶予がつけられないケース

 非常にややこしいですが、累犯であれば必ず執行猶予がつけられないというわけではありません。

 執行猶予は、前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても,その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない場合に付けることができます(刑法25条1項2号)。

 同じ「5年」という期間が出てきますが、累犯は「この5年以内に犯罪行為をしたら累犯」であり、執行猶予は「この5年以内に禁錮以上の刑に処せられたら執行猶予は付けられない」という制度になっています。
ですので、例えば、刑務所から出所後、4年11カ月経過時に犯罪行為をしたら累犯になりますが、その犯罪行為に対する禁錮以上の刑の言い渡しが5年を超えていれば、執行猶予を付けることは法律上可能と言うことになります。

 これについて誤解をしている法律家も多いので、どのケースで執行猶予を付けられ、どのケースで付けられないのかを正確に理解しておく必要があります。

 

 

勾留については別問題!

 当事務所ではクレプトマニアの方の取り扱いも多いのですが、残念ながら累犯に該当してしまう方もいらっしゃいます。

 ただし、勾留については別問題です。

 再犯であることは、逃亡をするかもしれないという方向に傾く一つの事情にすぎず、それだけで絶対に釈放できないという話ではありません。

 逃亡防止の措置や罪証隠滅防止の措置などが講じられていれば、このようなケースでも勾留されずに在宅で捜査を受けるということは可能です。

 諦めずに、勾留から争いましょう。勾留されていたら何もできませんが、勾留されずに在宅になれば、やれることは無限に広がります。

 このようなケースでも諦めずに、全力で闘ってくれる弁護士に依頼をすることが非常に大事です。

 

 

 

このページは、弁護士 中原潤一が執筆しています。

 

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