刑事弁護専門雑誌・季刊刑事弁護113号では、「犯情から争う依存症弁護」というテーマで、特集が組まれています。

本特集の一つである「座談会・依存症弁護を考える」に参加いたしました。

 

本座談会では、クレプトマニア・性依存を中心に、依存症弁護に取り組んでいる弁護士間において、犯情の争い方、裁判所の判断傾向とそれに対する意見、責任能力論との関係、医療・福祉との連携の必要性と問題点、依存症弁護における弁護人の役割などについて、それぞれの経験に基づいて意見交換を行いました。

 

私は、弁護士として最初に担当した性犯罪の裁判員裁判をきっかけに、性依存の問題を知りました。弁護活動を通じて、ご本人もご家族もすごく苦しんでいることがわかり、弁護人にしか伝えられないことがあるのではないかという想いから、性依存やクレプトマニアなどの依存症弁護に積極的に携わりたいと思うようになりました。

 

現在は、当事務所の志を同じくする弁護士と共に、クレプトマニアの方による万引きの事件、特定の性犯罪を繰り返してしまった方の弁護を多く担当しております。

 

座談会でも申し上げましたが、刑事裁判は受けたくて受ける人なんて、一人もいないと思います。

特定の行為「だけ」を病的に繰り返してしまう、やめたくてもやめられない、自分の意思では止められない状態がある、そのためにご本人もご家族も壮絶な苦しさを抱えている現実があるのだということを理解し、弁護人として何ができるのか、どうしたらご本人にとっても社会にとってもより良い形を目指していけるのか、これからも考え、実践していきたいと思います。

 

 

弁護士法人ルミナス法律事務所

弁護士 神林美樹

 

刑事事件・少年事件を専門的に扱う
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