令和3年9月11日にオンライン開催(Zoom)・録画配信された、公認心理士の会 司法・犯罪・嗜癖部会ワークショップ「理論・事例・実践から学ぶ、日々の臨床活動に活かす司法面接法と日常臨床への応用」に参加しました。

 

司法面接とは、法的な判断のために使用することのできる精度の高い情報を、被面接者の心理的負担に配慮しつつ得るための面接法のことです。

 

日本では、平成27年10月28日付けで、厚生労働省、最高検察庁、警視庁が司法面接に関する以下の通知を発出しています。

 

・厚生労働省雇用均等・児童家庭局「子どもの心理的負担等に配慮した面接の取組に向けた警察・検察との更なる連携強化について」(雇児総発1028第1号)

・最高検察庁「警察及び児童相談所との更なる連携強化について」(最高検刑第103号)

・警視庁「児童を被害者等とする事案への対応における検察及び児童相談所との更なる連携強化について」(警視庁丁刑企発第69号)

 

上記の通知を契機として、刑事手続においても、被聴取者となる子どもの心理的負担軽減、及び、子どもから聴取する供述内容の信用性確保のため、協同面接/代表者聴取と呼ばれる、児童相談所・警察・検察庁の三機関協働による、事情聴取が実施されるようになりました。実際に、司法面接が問題となった裁判例も出ています。

 

弁護人としては、たとえば、子どもの供述の信用性が問題となる冤罪事件等において、司法面接の観点から検討を行うべきケースがあります。

子どもは被暗示性が強く、大人から繰り返し質問されたり、誘導的な面接が行われたりすると、事実と異なる供述が引き出され、冤罪事件に発展する可能性があります。

子どもが被害申告や目撃証言等をしている刑事事件の弁護を担う上で、司法面接に関する基本的な知識と理解は必須であるといえます。

 

本研修では、はじめに、司法面接法(forensic interviews)の概要について講義があり、講義を踏まえて、NICHDプロトコルに基づく司法面接のロールプレイがありました。

また、弁護士・家庭裁判所調査官・児童相談所のそれぞれの立場から、司法面接についての実際の活用事例についての報告があり、実務的な理解を深めることができました。

 

司法面接は、刑事司法における最新トピックの一つです。

当事務所は、刑事弁護を担う事務所として、医療・福祉・心理等の司法関連分野を含めて、常に最先端の刑事実務上の問題について研究を行い、弁護活動に活かしてまいります。

 

 

弁護士法人ルミナス法律事務所

弁護士 神林美樹

 

刑事事件・少年事件を専門的に扱う
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