2022年7月9日・10日に開催された、第18回日本司法精神医学大会に参加しました。

昨年度に引き続き、新型コロナウィルスの感染状況に鑑み、オンライン開催となりました。

 

本大会は「被害者と司法精神医学」をテーマとして、PTSDなどのトラウマを持つ人を対象とした精神鑑定について、教育講演がありました。

シンポジウムでは、性犯罪被害者の精神鑑定や、医療観察法とトラウマインフォームドケアなどのテーマについて、報告、ディスカッションが行われました。

 

トラウマという言葉からは、被害者を連想することが多いかもしれません。

もっとも、刑事事件の加害者の立場にある方が、過去には被害者の立場にあったということはよくあります。

過去に大きなトラウマ体験(傷つき体験)を有しており、そのようなトラウマ体験に基づく症状に苦しみ続け、その症状の直接的または間接的な影響によって事件に至るということは決して少なくありません。

そのようなケースの場合には、事件の背景にある、依頼者のトラウマに対する治療・支援も必要になると思います。

 

また、性犯罪(強制わいせつ致傷、強制性交等致傷など)の刑事裁判において、加害行為とPTSDの因果関係が問題となることもあります。

 

そのような依頼者の弁護を担う上で、トラウマという病気のことや、トラウマ治療の在り方について学び、理解を深めることは、重要なことであると考えています。

 

本大会を通じて、トラウマ治療・鑑定の第一線に携わる精神科医の先生方の講演、指定討論を拝聴し、大変勉強になりました。

これからも日々研鑽を怠らず、一人一人の依頼者を護るために、司法精神医学の知識と理解の深化に努めてまいります。

 

 

弁護士法人ルミナス法律事務所

弁護士 神林美樹

 

刑事事件・少年事件を専門的に扱う
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