平成31年2月13日、あきらめない情状弁護という日本弁護士連合会の研修に参加しました。

 

情状弁護とは、刑事事件のうち、犯罪事実については認めたうえで、それでも酌むべき点があることを主張・立証し、できるだけご依頼者の利益となる処分・判決を求めていく弁護活動のことです。

 

第1部と第3部は、窃盗の前科5犯、うち4犯は万引きで、最終前科にかかる判決で執行猶予を言い渡されているという一見すると執行猶予判決を得るのは容易とはいえない設定の、逮捕・勾留をされてしまった窃盗事件(万引き)の模擬事例を取り上げて、弁護活動の在り方について議論がなされました。

ご依頼いただく事件の中には、ご依頼者ご本人にご自身のことで困りごとがある場合や、ご家族とのこと、仕事のこと、いろいろなことで悩まれている場合が多くあります。本研修で取り扱った事例のご本人は、旦那さんや障害を持った娘さんとの関係に悩んでいました。このようなときに、あらゆる機関と連携するなど、「繋ぎ」の役割を果たすことがいかに重要であるか、そのような活動が結果的に刑事手続きの中で生きるのだということを改めて感じました。

 

第2部では、「季刊 刑事弁護(現代人文社)」の新人賞を受賞した弁護士による事例報告がありました。

各弁護士が新人の頃に経験し、通常であればあきらめてしまいかねない困難を乗り越え、いずれも窃盗罪について再度の執行猶予や不起訴処分を獲得、実刑を回避した3つの事例についての報告でした。

どの事例の弁護人も、ただひたすらにご本人のためと、労を惜しまず、多角的な視点から様々な方法を駆使して活動されていました。各弁護人の熱意に身が引き締まる思いでした。

 

私たちは、決してあきらめません。どんな状況でも、ご依頼者の最善の利益になるように努力を惜しみません。

犯罪事実は認めているから、もうこれ以上することはない…そんなふうに考えずに、是非一度ご相談ください。

 

弁護士法人ルミナス法律事務所

弁護士 大橋いく乃

 

刑事事件・少年事件を専門的に扱う
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