窃盗罪(万引き)|執行猶予期間経過後の再犯で、保護観察付きでない執行猶予判決を獲得した事案

事案の概要

 前頭側頭型認知症の精神障害を抱える方の万引き事件でした。

 以前に執行猶予判決を受けたことがあり、事件当時、執行猶予期間は経過していましたが、執行猶予判決後の再犯のため、実刑や、保護観察付の執行猶予判決など、厳しい判決が予想されていました。

 

 

弁護活動の内容

 ①被害店舗に、ご依頼者の心からの謝罪と被害弁償を申し出ました。しかし、店舗の方針により、用意した謝罪文も被害弁償もお受け取りいただくことはできませんでした。そこで、被害弁償金については、被害店舗を管轄する法務局に供託をすることとしました。また、贖罪寄付も併せて行いました。

 

 ②万引きに至ってしまう原因として、職場や生活環境によるストレスも関係していることが考えられたため、ご依頼者にカウンセリングの受診を提案、継続的に受診していただきました。

 また、悩みを溜め込んでしまう傾向がみられたため、万引きを繰り返してしまうという同じ悩みを持った仲間が集まる自助グループ(KA(クレプトマニアクス・アノニマス))への参加を提案し、定期的に参加いただきました。

 

 ③万引きを繰り返してしまう原因を究明するため、医療機関に繋げ、検査を受けてもらいました。その結果、ご依頼者は、前頭側頭型認知症と診断されました。

 かかる診断を前提に、ご依頼者は、具体的に再犯防止を図るため、買い物同行や代行の支援といった福祉的サービスを受けるようになりました。

 

 ④社会福祉士の先生と連携し、再犯防止のための更生支援計画を策定しました。

 計画策定にあたっては、何度も社会福祉士の先生、ご本人、ご家族、ご依頼者が受診する医療機関の医師などと面談を重ね、上記②、③の活動を中心に、再犯防止のために必要な方策を一緒に検討しました。

 

 

弁護活動の結果

 裁判では、ご本人の謝罪と反省の気持ち、再犯を防止するために行っていたひとつひとつの努力が認められ、一度執行猶予判決を経験されていたにもかかわらず、保護観察もない執行猶予判決を獲得することができました。

 執行猶予期間経過後の再犯であったとしても、実刑判決となってしまうことがあり得ます。今回は、ご本人の再犯防止のために努力を惜しまない姿勢を受けて、様々な提案をした結果、その全てを裁判官に伝えることができ、執行猶予判決を獲得でき、本当によかったです。



東京新宿・埼玉大宮にある刑事事件・少年事件の法律事務所
 弁護士法人ルミナス

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