控訴審の特徴

控訴とは

控訴とは、第一審の地方裁判所や簡易裁判所が下した判決に不服がある場合、当該地方裁判所や簡易裁判所を管轄する高等裁判所に不服の申し立てをすることを言います。

この不服の申し立てに理由があれば、第一審の地方裁判所や簡易裁判所が下した判決は破棄されることになる一方で、不服の申し立てに理由がない場合には控訴棄却となります。

第一審では、裁判官3人の合議体で審理し判決をすることもありますが、裁判官1人だけで審理する事件のほうが多くなっています。

一方で、控訴審は、必ず裁判官3人の合議体によって審理が行われ、判決をすることになります。

 

 

控訴の割合とその結果(事件の統計)

控訴の割合

平成26年度の司法統計年報によると、地方裁判所で判決を下された人数が7万2114人、簡易裁判所で判決を下された人数が8756人とされています。

この合計8万870人のうち、控訴をした人(検察官控訴も含む)は5905人とされています。

そうすると、約7.3%の人が、控訴をし、もしくは控訴を申し立てられたという計算になります。

 

控訴の結果

平成26年度の司法統計年報によると、控訴審終局人員総数5890人のうち、第一審判決を破棄された人が558人とされています。

そうすると、控訴の結果としては、約9.5%の割合で第一審判決が破棄されているという計算になります。

 

 

控訴の流れ

第一審判決に不服がある場合には、第一審判決が下された日の翌日から数えて14日以内に、控訴をすることができます。

控訴をする場合には、第一審判決をした裁判所に、高等裁判所宛の控訴申立書を提出します。

控訴申立書を提出すると、約1か月ほどで第一審裁判所から高等裁判所に事件の記録が送られ、それから約1か月後までに控訴趣意書の提出を求められます。

控訴趣意書というのは、控訴の具体的な理由を記した書面です。

控訴趣意書が提出してから約1か月後に控訴審の公判期日が指定されます。

したがって、事件ごとに異なりますが、おおむね第一審判決から約3~4か月後に控訴審の公判期日が開かれるという流れになります。

 

 

控訴審の特徴

控訴審は「事後審」

控訴審は、「事後審」だと言われています。

つまり、第一審の判決が不合理といえるかどうかを事後的に検討するための裁判であるということです。

ですので、第一審と同じことをもう一度繰り返すわけではありません。

第一審の記録と、控訴趣意書や答弁書を検討し、第一審の判決が不合理か否かを検討することになります。

ほとんどの場合が書面審査ですので、多くの公判期日は5分程度で終了します。

 

被告人は出頭しなくてもよい

控訴審においては、被告人は公判期日に出頭しなくても良いとされています(刑事訴訟法390条本文)。

第一審では被告人の出頭は義務ですから(刑事訴訟法273条2項)、第一審にはない控訴審の特徴と言えます。

 

第一審時に存在した証拠の提出には「やむを得ない事由」が必要

第一審時に存在していた証拠を提出するためには、その証拠を提出できなかった「やむを得ない事由」が必要であるとされています(刑事訴訟法382条の2)。

それは、控訴審が事後審とされており、第一審で当事者双方に攻撃防御を尽くさせる必要があるからです。

ですので、第一審では、控訴審では自由に証拠が提出できないことをも考えて、主張立証活動をする必要があります。

 

 

主な解決実績(一部)

 

 

 

 

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