殺人・殺人未遂
法定刑
殺人罪
死刑又は無期もしくは5年以上の懲役(刑法第199条)
殺人未遂罪
刑法第199条の罪の未遂は、罰する(刑法第203条)
殺人事件の逮捕・勾留の状況
2023年検察統計年報(最新版)によると、殺人事件の逮捕・勾留の状況は、以下のとおりです。
- 殺人事件には、殺人罪、殺人予備罪が含まれます。
逮捕の状況
検挙された件数 | 1023件 |
---|---|
逮捕された件数 | 366件 |
逮捕されていない件数 | 657件 |
逮捕率(※1) | 約36% |
(※1)小数点第一位を四捨五入しています。
勾留の状況
逮捕された件数 | 366件 |
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検察官が勾留請求せず、釈放した件数 | 1件 |
裁判官が勾留した件数 | 361件 |
裁判官が勾留しないで、釈放した件数 | 0件 |
その他 | 4件 |
勾留率(※2・3) | 約99% |
(※2)裁判官が勾留した件数/逮捕された件数
(※3)小数点第一位を四捨五入しています。
解説
殺人罪は、「人を殺した」ときに成立するとされています。
殺人罪は、死亡した被害者の数や動機の内容が重視されます。殺人未遂罪は、傷害の結果が生じている場合が多いので、傷害の内容や傷害を負わせるに至った行為の危険性が重要な事情となります。
殺人罪も、殺人未遂罪も、裁判員裁判対象事件です。
弁護活動のポイント
殺人罪・殺人未遂罪は「動機犯」といわれ、その動機の内容や、殺害を決意するに至った経緯などが重要視されますので、例えば、介護に疲れやむなく殺害をしてしまったようなケースでは、殺人罪でも執行猶予付き判決となる可能性もあります。
また、一方で、殺人罪や殺人未遂罪では、責任能力に問題がある方が行ってしまうようなケースも散見されるため、責任能力に対する知識や専門的なスキルを有し、責任能力も視野に入れた弁護活動が重要になってまいります。
仮にすべてを認めるような場合には、被害者のご遺族に対する謝罪および慰謝の措置が講じられているか否かも重要な要素です。