少年鑑別所とは
少年鑑別所とは
鑑別所の役割
少年鑑別所は、①家庭裁判所の求めに応じて、少年の心身の鑑別を行うこと、②家庭裁判所によって観護措置がとられて少年鑑別所に収容される少年に対し、健全な育成のための支援を含む観護処遇を行うこと、③地域社会における非行及び犯罪の防止に関する援助を行うことをその役割としています。
鑑別とは
鑑別とは、医学、心理学、教育学、社会学などの専門的知識や技術に基づき、少年の非行等に影響を及ぼした資質であったり、家庭や交友関係などの環境上問題となる事情を明らかにした上で、その事情の改善を目指し、適切な指針を示すことをいいます。つまり、鑑別は、非行の原因を明らかにし、非行を繰り返さない方針を立てるために行われるものです。この鑑別結果は、家庭裁判所に提出され、処分を決める審判の資料となります。
鑑別所での生活
鑑別所には単独室と集団室があり、最初に鑑別所に入所する際にオリエンテーションを行い、少年同士の組み合わせを考えて部屋の調整を行っているようです。また、集団室になった場合でも、少年には自分の個人情報を他の少年に話さないように指導がなされているようです。
鑑別所内では、全員が指定された服(体操服やパジャマなど)を着ており、日課に合わせて着替えをしているようです。服の洗濯は鑑別所の職員が行っているとのことです。
食事については、朝・昼・晩の三食とも外部の業者が作っています。アレルギーなどがあれば個別のメニューを用意することもあるようです。鑑別所には医師と看護師がおり、病気の有無を診察し、緊急時にもすぐに対応できるようになっています。
鑑別所に入所している少年は、家庭裁判所調査官や鑑別技官と面接をして事件やこれまでの生活を振り返ったり、心理テストや知能テストを受けたりしています。部屋の中では作文・感想文を書いたり勉強を行っているようです。その日一日を振り返り、反省したことや考えたことなどについて、一日を振り返る生活日記をつけて職員がそれに対してコメントしたりしているとのことです。なお、本は一週間に6冊まで貸出を行っているようですし、教科書については必要な分だけ貸し出しを受けることができるようです。
鑑別所での面会
少年と面会することができるのは、ご両親や兄弟、祖父母やおじ・おばなどの三親等内の親族のほか、在学中の学校の先生や職場の上司であるとされています。
面会時間は、その日の混み具合により10分~30分で指定されます。少年が調査やテストなどを行っている場合にはすぐに面会できないこともあります。
面会の際には、付添人弁護士以外の一般の方は、飲み物(当該鑑別所の自動販売機で購入した飲み物1本)しか持ち込むことはできません。
面会の際に話すことができる内容に制限はありません。少年に対して思いを伝えたり、または事件についてどのように考えているのかを聞くことは、少年の内省を深めるものとして重要なことであると位置づけられています。
一方で、身分や少年との関係に偽りがあったり、職員の指示に従わなかった場合には、面会を中止されることがありますので、お気を付けください。
主な解決実績(一部)