執筆者

弁護士法人ルミナス 

弁護士 大橋 いく乃 が執筆しました。

目次

1.はじめに
2. 冒頭手続き
3. 証拠調べ手続き
4. 当事者の最終意見陳述
5. 判決言渡し
6. おわりに

 

 

はじめに

刑事裁判の法廷は、ドラマや映画の一場面で見たことがあり、イメージはできる方が多いのではないでしょうか。真ん中に裁判官、両サイドに検察官と弁護人・被告人となった方がいる、あの法廷です。

事実関係を認める事件(かつ裁判員裁判対象事件ではない事件)では、1回の裁判で結審し、次の期日で判決の言い渡しを行うことが多くあります。(もちろん、場合によっては結審までに2回以上期日が行われることもあります。)

刑事裁判における公判手続きは、結審までに大きく分けて、3つ段階があります。冒頭手続き・証拠調べ手続き・当事者の最終意見陳述の手続きです。そして、結審後、判決言い渡しの期日が設けられます。それぞれの手続きのおおよその流れについて、事実関係に争いがない、裁判員裁判非対象事件を想定して簡単に、説明いたします。

 

 

冒頭手続き

冒頭手続きとは、裁判を受ける人物・事実・被告人となった方の事実関係への態度を明らかにするための手続きです。

 

人定質問

裁判官から、被告人となった方に対し、氏名・生年月日・本籍・住所・職業について質問し、起訴状の記載と相違ないか確認します。

 

起訴状朗読

検察官が、起訴状記載の公訴事実・罪名及び罰条を朗読します。

 

黙秘権等の権利告知

被告人となった方には、黙秘権があります。黙秘をしても、それのみで不利に扱われることはありません。また、供述をした場合には、それが証拠となることの説明もしばしばなされます。

 

被告人及び弁護人の事件についての陳述

被告人とされた方、そしてその弁護人それぞれに対し、裁判官から、起訴されている事実に対する意見を求められます。事実関係を認めている事件については、その旨を述べます。

 

 

証拠調べ手続き

次に、証拠調べ手続きに移ります。

証拠調べ手続きとは、検察官・弁護人が裁判所に対し事件に関する証拠を請求し、それを裁判所が取り調べる手続きです。

 

冒頭陳述

まず、検察官が冒頭陳述をします。冒頭陳述とは、事件のあらましと立証方針を明らかにする手続きです。事案によっては、検察官の冒頭陳述の後、弁護人による冒頭陳述がある場合があります。

 

検察官側立証

検察官による証拠調べ請求

検察官は、事件及び情状関係の事実を立証するために必要と考える証拠を請求します。

 

弁護人の意見

事前に開示された証拠を十分に検討し、意見を述べます。

 

裁判所による証拠採用決定

弁護人の意見を踏まえ、採用する証拠を裁判所が決定します。

 

証拠の取り調べ

証拠の取り調べ検察官が採用された証拠の内容を読み上げる等して、法廷に顕出します。

※裁判官裁判の場合、証拠内容の要旨のみに留まることも多いです。

 

検察官の証拠提出

証拠を裁判所に提出します。

 

弁護側立証

弁護人による証拠調べ請求

事実関係を認めている事件では、被害者の方との間で成立した示談書や、今後更生を支援・監督をしてくださる方の証人尋問、更生支援計画など、情状面での立証があり得ます。もっともそれだけでなく、事案によって、さまざまな立証が考えられます。

 

検察官の意見

裁判所による証拠採用決定

証拠の取り調べ+証拠提出

検察官の場合と同様、書面は内容を読み上げて法廷に顕出し、裁判所に提出します。

・証人尋問をする場合

 証人となる方に実際に法廷までお越しいただき、弁護人・検察官・裁判官の順番でなされる質問に、一問一答形式でお答えいただきます。

・被告人質問

 証拠調べの一環として、被告人質問が行われます。

 証人尋問と同様、弁護人・検察官・裁判官からの質問に一問一答形式でお答えいただきます。

 

 

当事者の最終意見陳述

証拠調べが終わると、検察官・弁護人・被告人となった方の最終的な意見陳述が行われます。それぞれ、論告求刑・最終弁論・最終陳述と呼ばれています。

 

論告・求刑

論告求刑とは、検察官目線で事件を評価し、それを前提に検察官として妥当と考える刑期について意見を述べる手続きです。

 

最終弁論

最終弁論とは、弁護人目線で事件を評価し、それを前提に弁護人として妥当と考える刑の内容について意見を述べる手続きです。

 

最終陳述

最終陳述とは、被告人となった方が最後に述べておきたいことを述べる手続きです。

 

 

判決言渡し

通常、結審後、別日に、判決言渡しのための期日が設けられます。

裁判官から、主文・理由が朗読され、5~10分程度で終了することが多いです。

 

 

おわりに

ドラマや小説などでは、ある一部の手続き(証拠調べの尋問の手続きや、求刑、判決言渡しの場面など)のみがピックアップされますが、上記のような流れの中の一場面です。

もちろん、必ずしもこの通りに行われるわけではなく、事案によっては異なる手続きがとられる場合もあります。

 

ご依頼者にとって、刑事裁判は非日常であることがほとんどだろうと思います。当事務所では、刑事裁判に精通した弁護士が、当該事案にとって最良の法廷弁護活動を行います。安心して、お任せください。

裁判になってしまったとしても、諦めてはいけません。「検察官による取り調べを受け、裁判にするといわれた」「家族が身体拘束を受けており、起訴されてしまった」という方は、ぜひ一度、ご相談ください。