令和3年2月1日に仙台弁護士会で開催された責任能力研修の講師を務めました。

 

この研修は、仙台弁護士会から日弁連への依頼を受けて行った、弁護士向けの研修です。日弁連の責任能力PTに所属している、第一東京弁護士会の森岡かおり先生と一緒に講師を務めました。

「責任能力が問題となる事件の弁護活動」をテーマとして、前半では森岡先生に「責任能力の基礎知識」「弁護活動の留意点」を講義いただき、後半では私が「責任能力が問題となった裁判例に関する事例報告」を行いました。担当パートでは、第1に「日弁連の判例分析結果」について概要をご報告した上で、第2に「心神喪失を争う事件」について、第3に「量刑を争う事件」について、裁判例を基にご報告いたしました。事例報告を通じて、精神障害を抱えている方の弁護活動について考察・検討を行いました。

 

新型コロナウィルス感染症の感染拡大防止のために、オンラインでの開催となりましたが、仙台弁護士会の事務局の皆さまのご協力の下、多くの先生方にご参加いただき、スムーズに充実した研修を行うことができました。

 

私自身、本研修を通じて、精神障害を抱えている方の弁護活動について、あらためて、勉強させていただきました。

刑事裁判において責任能力が問題となる事例としては統合失調症やうつ病のケースが多くなっていますが、発達障害でも心神耗弱が認められたケースがあります。また、心神耗弱には至らなくても、ご本人の責任ではない病気の症状が事件に影響している場合には、ご本人の意思決定を強く責めることはできないとして量刑上考慮され、減軽されているケースも多くあります。

 

当事務所では、精神障害を抱えている方、ご家族の方からの刑事事件のご相談を多数お受けしております。今後も、責任能力や司法精神医学に関する知見を深め、研鑽を積んでまいりたいと思います。

 

 

弁護士法人ルミナス法律事務所

弁護士 神林美樹

 

刑事事件・少年事件を専門的に扱う
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