平成31年1月19日~20日にかけて、愛媛県において開催された第29回全国付添人経験交流集会に参加しました。

この集会は、日本弁護士連合会、愛媛弁護士会、四国弁護士連合会が主催したもので、少年事件や子どもの権利について考える勉強会です。

 

1日目の少年の更生を扱った分科会では、非行行動を起こしてしまった少年は、どのようなきっかけで、どう立ち直っていくのかという観点から、傷害事件による少年院入院経験のある方や少年らの親御さん、精神科医といった様々な立場からのお話がありました。 良くも悪くも少年を変えるのは、居場所や必要としてくれるひととの出会いであり、更生のためには、職場などの居場所や、目標を与えてくれるひととの出会いが重要だという、少年院入院経験のある方や、そういった少年を見守ってきた親御さんからのお話が印象的でした。もちろん、少年をすべて同様に論じることはできませんが、私たち付添人の活動が、そういった出会いの一つとなりうるのだということを肝に銘じて、活動していかねばならないと感じました。

 

また、精神科の医師からは、発達障害の少年についてのお話がありました。近年、自閉症スペクトラムやADHDといった発達障害を持つお子さんに対する認知が広まりましたが、そういった特性を持っていることに気づき、配慮する一方で、過度に特別視することなく、そのお子さんごとに適切な関わり合い方をすることの重要性を再認識いたしました。

 

2日目の少年事件の裁判員裁判についての分科会では、千葉地方裁判所における1年間の裁判員裁判判決書の分析結果の報告や、殺人事件、傷害致死事件、強盗致傷事件、近年東京でも増加している覚せい剤の密輸事件といった事件の少年審判決定書と裁判員裁判判決書との比較検討、裁判員裁判少年事件の公判廷におけるプライバシー配慮や情操保護などについての統計報告がありました。

 

少年の裁判員裁判の量刑傾向や審判と裁判員裁判の目線の違いについて、理解を深めることができました。この経験を、今後の弁護活動、付添人活動に生かしてまいります。

 

弁護士法人ルミナス法律事務所

弁護士 神林美樹

 

刑事事件・少年事件を専門的に扱う
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