2021年6月11日・6月12日に開催された、第17回日本司法精神医学会大会に参加しました。昨年度に引き続き、コロナ禍の状況に鑑みて、WEB開催の運びとなりました。

 

本大会のテーマは「司法精神医学と少年」です。

 

2日間にわたる密度の濃いプログラムを通じて、現場の最前線に立つ精神科医、法律学者の先生方より、刑事事件に関する各種の精神鑑定(刑事責任能力鑑定、医療観察法鑑定、少年鑑定、情状鑑定等)の概要及び実務的な問題点について、弁護士の目線とは異なる切り口で講演いただき、司法精神医学に関する知識と理解を深めることができました。

 

また、本大会のテーマである少年事件の精神鑑定について、少年法が定める少年事件独自の手続のフロー、その中で行われる少年の精神鑑定の意義と実務上の課題、非行少年に対する治療的・社会的支援の在り方等について、登壇者である児童精神科医の先生方、弁護士等の法曹実務家が議論を交わし、検討を行いました。

 

少年の精神鑑定においては、成人の刑事責任能力鑑定とは異なり、精神障害の存否、それが非行に与えた影響の有無及び程度という点のみならず、少年が非行に至った動機や少年の生育歴等が非行に与えた影響についても、精神医学的な分析が行われます。

そこで示された精神医学的な知見は、少年の処遇を選択する上で重要な意味を有するのは勿論ですが、それだけではなく、少年自身が自己の特性を理解することへとつながります。専門家の先生方に、なぜこのような行為に至ってしまったのかを子細に分析していただくことは、少年が行動改善を図る契機、ヒントになるという意味でも非常に大きな意義があるものと思います。

治療的支援が必要な少年の場合には、精神鑑定(私的鑑定)の依頼、医療機関における治療やカウンセリングとの連携支援等も視野に入れて、一人一人の少年に寄り添った弁護、付添人活動に努めてまいりたいと思います。

 

*2022年4月より、改正少年法が施行されます。

改正少年法においては、18歳・19歳の少年は「特定少年」として、引き続き少年法が適用されるものの、原則逆送事件の拡大、逆送後に起訴された場合には実名報道が解禁される等、17歳以下の少年とは異なる取り扱いがなされることになります。

 

当事務所では、障害を抱えている方の弁護を多く担当しております。

責任能力が問題となる事件の弁護活動、治療的・福祉的支援の在り方について、事務所内で開催している勉強会等を通じて検討、振り返りを行っておりますが、弁護士間の議論にとどまらず、このような機会を通じて、精神科医の先生方より教示をいただき、研鑽を積んで、司法精神医学に関する知識と理解の深化に努めてまいりたいと思います。

 

 

弁護士法人ルミナス東京事務所

弁護士 神林 美樹



刑事事件・少年事件の法律事務所
 弁護士法人ルミナス(東京新宿・埼玉大宮)