執筆者

弁護士法人ルミナス法律事務所横浜事務所
弁護士 中原 潤一 が執筆しました。
いわゆる「セクスティング」とは
最近、セクスティングに関する相談が増えています。セクスティングとはSEXとTexting(SMS)からなる造語で、性的な画像や動画を送ることをその内容とします。
このコラムでは、このセクスティングがどのような犯罪に該当するのかということについて解説をします。
成立する犯罪
18歳未満の場合
まず、撮影された映像が18歳未満である場合、児童ポルノ製造罪が成立します。
これは、児童がその撮影に同意していたとしても成立する犯罪です。
さらに、その児童が13歳未満である場合には、強制わいせつ罪(刑法176条後段)も成立し得ることになります。13歳未満の場合には、強制わいせつ罪が成立するのに「暴行・脅迫」は要件となっていませんので、やはり同意があっても強制わいせつ罪が成立するということになります。
このように、撮影された映像が18歳未満の場合には、必ず何らかの犯罪が成立してしまうということになります。
18歳以上の場合
一方で、撮影された映像が18歳以上である場合、同意がある限りは、特定個人の間でのセクスティングは刑罰法令に触れるということはありません。
ただし、同意がない場合には、強要罪(刑法223条)や強制わいせつ罪(刑法176条前段)が成立する可能性があります。同意がないのに性的な画像を送っているということは、意思に反してでも送らなければならない事情が存在するということになります。その原因が脅迫であることが多いです。強要罪が成立するか、強制わいせつ罪が成立するかは、その脅迫の強さの程度であったり、わいせつ性の程度で変わってくるものと思われます。
近年では、このセクスティングを強制わいせつ罪で検挙している例が増えています。
セクスティングでトラブルになったら
セクスティングはメッセージのやりとりですので、メッセージ上に客観的な証拠が残っているケースが多いです。ですので、万が一トラブルになってしまったら、そのメッセージは保全しておいたほうが良いです。また、強制わいせつ罪は6月以上10年以下の懲役がその法定刑であり、罰金刑がない重い罪になりますので、早い段階から防御の準備をしておく必要があります。特に、相手の方が18歳未満の場合、性的な画像や動画を送らせてしまったら犯罪が成立してしまいます。
セクスティングでトラブルになってしまった、警察から連絡があった等のご不安をお抱えの方は、早めに当事務所にご相談ください。
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