記事を執筆した弁護士

弁護士法人ルミナス法律事務所 東京事務所
弁護士 大橋 いく乃

早稲田大学大学院法務研究科卒業。最高裁判所司法研修所修了後、弁護士法人ルミナス法律事務所に加入し、多数の刑事事件・少年事件を担当。第一東京弁護士会刑事弁護委員会・裁判員裁判部会委員、刑事弁護フォーラム事務局、治療的司法研究会事務局等を務める。無罪判決、再度の執行猶予判決等を獲得。精神障害を有する方の刑事弁護に注力しており、医療・福祉の専門家と連携した弁護活動に積極的に取り組んでいる。

弊所では、定期的に弁護士内で勉強会を開催しています。

具体的な事例をテーマに、よりよい弁護活動のためには何をすればよいかという検討や振り返り、最新の判例研究などを行っています。

 

先日は、量刑事件の最終弁論に関する勉強会を実施しました。

量刑事件とは、事実関係に争いがなく、刑の重さが問題になる事件のことです。してしまった事実に間違いがない場合にも、事件の見え方は検察官と弁護人は異なることが多いです。光の当て方によって、事件の見え方は全く異なるものになります。私たちは、裁判官や裁判員の方に対し、裁判において、弁護人から見える事件の様相、弁護人から見えるご依頼者の姿を伝えるために、ひとつひとつの公判弁護活動を行っています。

その最後の場が弁護人による「最終弁論」です。ここで、裁判で取り調べられた証拠、証言やご依頼者の話を材料に、今回の事件が検察官が主張するようなものではないことを伝えていくことになります。

 

今回は、実際の裁判員裁判対象事件の弁論について、実演を交え、検討しました。担当弁護士とそれ以外の複数の弁護士の目線から、当該事件をどのように伝えることが最も適切か、意見交換をしました。

被疑者段階から長く担当している弁護士は、長くご依頼者と関わっているからこそ、どうしても先入観を持って見てしまっている場合があります。そこで、担当していない弁護士から、客観的な意見をもらうことは非常に有意義でした。

また、特に裁判員裁判対象事件の弁論は、初めて事件に触れた一般の方が聞いたときに、分かりやすい内容でなければなりません。そのような意味でも、複数名での議論は有用なものと感じました。

 

いかなる事件でも、各弁護士がそれぞれ最良の弁護活動を提供できるよう、研鑽を積んでまいります。

 

 

弁護士法人ルミナス法律事務所

弁護士 大橋いく乃