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弁護士法人ルミナス 代表
弁護士 中原 潤一

弁護士法人ルミナス代表弁護士。日弁連刑事弁護センター幹事、神奈川県弁護士会刑事弁護センター委員、刑事弁護実務専門誌編集委員等を務め、全国で弁護士向けの裁判員裁判研修の講師を多数務めている。冤罪弁護に精通し、5件の無罪判決を獲得。少年事件で非行事実なしの決定等の実績を有する。逮捕・勾留されているご依頼者を釈放する活動、冤罪事件の捜査弁護活動及び公判弁護活動、裁判員裁判等に注力している。

弁護士にいつ相談すればいいのか

刑事事件のご相談を受けていると、裁判になってから初めて弁護士に相談される方がいらっしゃいます。もっと早くご相談いただけていれば!と思うことも多いのですが、警察から連絡が来ていても、弁護士にいつどのようなタイミングで相談すれば良いのかわからなかったとおっしゃる方もいます。ですので、このコラムでは、刑事事件を弁護士に相談するタイミングについて解説しようと思います。

 

 

可能な限り早く!

結論から言えば、可能な限り早くご相談ください。

刑事事件を起こしてしたと疑われてしまって、警察から連絡が来たらすぐにご相談ください。裁判になってしまってからでは遅いです。警察から疑われてしまったら、警察から連絡がきたのであれば、その瞬間からすぐに防御の準備を始めなければなりません。

刑事裁判では、警察や検察が集めた証拠をもとに有罪か無罪か、有罪だとしたらどのくらいの刑にするべきかということが審理されます。その証拠は、ほとんどが裁判になる前に作成されます。そして、その証拠には、疑われているご本人の話も含まれます。疑われている方の話それ自体も、裁判で証拠になるのです。

その証拠は、「供述調書」というものです。疑われている人の話を警察や検察が聞いて、その人の話を警察や検察が「供述調書」という書面にまとめます。その書面にまとめる作業も警察官や検察官が行います。そして、この時点では、警察や検察がどのような証拠を集めているかはわかりません。開示されることはありません。ですので、疑われている人が気づかないうちに、自分に不利な内容の供述調書を作成されてしまうなどということは日常茶飯事です。その疑われている人に弁護士がついていなければ、警察や検察は何の躊躇もなくそのような供述調書を作成するでしょう。

弁護士は、これを防ぐことができます。

これを防がなければ、裁判での闘いは厳しいものになるでしょう。

警察から連絡があった場合には、すぐに弁護士に相談してください。

それが、刑事事件で弁護士に相談すべき一つのタイミングだと言えるでしょう。

 

 

弁護士法人ルミナス法律事務所横浜事務所

弁護士 中原 潤一