執筆者

弁護士法人ルミナス 

弁護士 大橋 いく乃 が執筆しました。

薬物を自らの意思で使用してしまったという方の中には、ご自身でも全く気付かない間に、薬物依存症にり患している方がいらっしゃいます。

 

薬物の使用を繰り返してしまって、刑務所での服役経験もあるのに、また使用してしまったという方の中には、もう薬物使用を自分の意思でコントロールできない、依存症かもしれないと感じている方もいらっしゃるかもしれません。

一方で、薬物使用で初めて逮捕勾留された、という方の中には、留置施設の中で使いたくてたまらないという衝動もないし、使用していた頃も、自分の意思でコントロールできていたから大丈夫、と考えている方もいらっしゃるかもしれません。

 

覚醒剤や大麻、MDMAといった麻薬など、使用や所持が禁止されている薬物のほとんどは、依存性がきわめて高い物質を含みます。

留置施設では、「十分に反省したし、もう二度とやるまい」と決意を固めたとしても、社会内でストレスを感じたときや、薬物の誘惑にさらされたとき、使用したいという衝動に抗うことは非常に難しくなります。

 

もっとも、薬物を使用したいとの衝動に抗えないのは、意思が弱いからではありません。

繰り返してしまうのは、薬物依存症という「病気」にり患してしまったためと考えた方がよいでしょう。

 

そうだとすれば、再犯を防止するためには、医療機関や自助団体によるサポートが重要になります。

いくら刑罰による矯正教育を施したところで、依存症という根本的な原因を解消しなければ、薬物使用を繰り返すこととなってしまいます。

 

薬物依存症の方に必要なのは、刑罰ではなく、治療です。

 

当事務所では、専門的な医療機関や、ダルクなどといった自助団体と連携し、もう二度と薬物を使用しないための環境を整えていきます。

そして、そのような環境調整が整っていることは、刑事手続きとの関係でも重視されます。

裁判では、医療機関やダルクといった自助団体の方々の協力の下、そのような環境整備について主張立証していきます。

 

ダルクとは?

ダルクは、薬物依存症から回復して、社会復帰を目指す民間の自助団体です。ほぼ全てのスタッフが、薬物依存から回復した方だという点に特徴があります。

薬物依存は、経験したことのあるひとにしか分からない渇望の感覚や、苦しみがあります。同じ痛みや苦しみを経験し、それでも薬物をやめることのできた(やめ続けることのできている)スタッフの方が、後に来る人を手助けしながら、グループミーティングや共同生活を営むという形態が多いです。

ダルクは、北は北海道、南は沖縄まで、全国に拠点があります。(参照:厚生労働省HP『全国のダルク等』

自分のそれまでの生活拠点に近いダルクを選択する方も、一度薬物に繋がる人的関係を全てリセットしてやり直すために、遠方のダルクに入る方もいらっしゃいます。

各ダルクで、共同生活の中で経験できる内容やコンセプトが異なるため、自分に合う場所を探す方もいらっしゃいます。

 

 

だめだと頭では分かっているのに、どうしても薬物をやめられず、刑事事件化してしまった方、ご家族が薬物使用で逮捕されてしまったという方は、是非、一度ご相談ください。