記事を執筆した弁護士

弁護士法人ルミナス 代表
弁護士 中原 潤一

弁護士法人ルミナス代表弁護士。日弁連刑事弁護センター幹事、神奈川県弁護士会刑事弁護センター委員、刑事弁護実務専門誌編集委員等を務め、全国で弁護士向けの裁判員裁判研修の講師を多数務めている。冤罪弁護に精通し、5件の無罪判決を獲得。少年事件で非行事実なしの決定等の実績を有する。逮捕・勾留されているご依頼者を釈放する活動、冤罪事件の捜査弁護活動及び公判弁護活動、裁判員裁判等に注力している。

2021年は2冊の本の出版に関与しました

早いもので、2021年もあとわずかで終わってしまいます。

今年、出版に関与させていただいた2冊の本をご紹介したいと思います。

いずれも共著で、

  • 「行為依存と刑事弁護」(日本加除出版)
  • 「事例から掴む 保釈請求を通す技術」(第一法規)

です。

 

 

行為依存と刑事弁護(日本加除出版)

世の中には、悪いことだとわかっているのに特定の犯罪を繰り返してしまう方々がいます。

この本では、「ある行為で自分に不利益やリスクがあると分かっているが、その行為をやめたくても自制できない状態になっている人」のことを「行為依存症者」と定義した上で、そのような方々が刑事事件を起こした場合にはどのように弁護活動をするべきかということを、特に性犯罪と窃盗罪にフォーカスして論じ、そのような方々への治療や再犯防止プログラムの紹介、そしてこの国の司法が行為依存の方々とどのように向き合うべきか、あるべき司法の形とはどのようなものなのかという点について論じられています。

基本的には弁護士を対象にしたものですが、弁護士ではない人が読んでも色々考えるきっかけになりうる本になっていると思います。

 

 

事例から掴む 保釈請求を通す技術(第一法規)

こちらは、もっぱら弁護士向けの書籍となっております。

総論として、保釈の条件や、保釈の要件の解釈、請求の仕方等を論じた上で、事例編では、具体的な(そして、よく遭遇する)仮想事例を背景に、その事実関係のもとでどのような事実が問題となり、具体的にどのように主張するかということを論じています。事例にはそれぞれ保釈請求書のサンプルもつけてあります。

特に、この本では、裁判所が現在採用している見解と、その根拠、根拠となる論文等を明示して裁判所の現在の立場を踏まえた上で、それに対する反論やその反論の根拠、根拠となる論文等を明示して、弁護人の立場から裁判官を説得できるように工夫をしました。これを用いて、全国で裁判官と議論して、保釈の実務が少しでも良くなったらいいなと考えています。

 

 

弁護士法人ルミナス法律事務所横浜事務所

弁護士 中原潤一