令和3年4月3日、日弁連が主催する、日本司法精神医学会との協議会に参加しました。

 

ご本人の抱える精神障害の影響が問題となる事件の弁護活動の在り方を検討するには、精神科医の先生方の協力が不可欠です。日弁連の責任能力PT(当事務所の中原・神林が所属しています)では、日本司法精神医学会の精神科医の先生方と定期的に協議会を開催し、意見交換を行っています。

 

今回は、統合失調症の影響が問題となった事例を取り上げて、意見交換を行いました。

 

統合失調症とは、「脳の機能異常により、幻覚や妄想などが出現したり、思考や感情がまとまらなくなったりするなど様々な症状を来す精神病の一種」であり、その症状は、思考・情動・意欲など人格全体に現れます(五十嵐禎人「成年後見人のための精神医学ハンドブック」(日本加除出版、2017年)102、105頁)。
統合失調症は、およそ100人に1人弱がかかる頻度の高い病気であり、厚生労働省が2008年に行った調査では、統合失調症あるいはそれに近い診断名で、日本の医療機関を受診中の患者数は、推計79.5万人とされています。

(出典:厚生労働省HP(https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/detail_into.html))。

 

このように統合失調症を抱えている方は多くいらっしゃいます。刑事事件・民事事件を問わず、弁護士として、統合失調症患者の方、ご家族の方から相談をお受けする機会は少なくありません。弁護士として仕事をするうえで、この病気に関する基本的な知識と理解は不可欠といえます。

 

今回の協議会では、統合失調症患者の方の特定の行為について、統合失調症の陽性症状の現れとみるべきか、陰性症状と現れとみるべきかといった検討や、鑑定人による供述の信用性評価の在り方等について、精神科医の先生方のご意見をお伺いしながら、ディスカッションを行いました。
責任能力鑑定や、臨床現場において実際に統合失調症患者の方の治療に携わる精神科医の先生方のご意見をお伺いすることができ、具体的なイメージを持って、この病気に対する理解を深めることができました。

 

精神障害を抱えていることは、ご本人の責任ではなく、事件の背景にご本人の責任ではない病気の影響があったのであれば、弁護人は、そのことを正しく主張・立証する義務があります。

 

当事務所では、刑事弁護の一端を担う法律事務所としての責任をもって、日々刑事弁護に関する研鑽を怠らず、このような機会を通じて、司法精神医学に関する知識の習得と理解の深化にも努めてまいります。

 

 

弁護士法人ルミナス東京事務所

弁護士 神林 美樹



刑事事件・少年事件の法律事務所
 弁護士法人ルミナス(東京新宿・埼玉大宮)