令和5年9月29日に開催されました、2023年関東弁護士連合会シンポジウムに参加し、司会を務めました。

 

本年度のテーマは「刑事加害者家族の支援について考える」です。

 

欧米では、刑事加害者家族は隠れた被害者と呼ばれ、支援が必要な存在であると考えられています。

しかし、日本では、刑事加害者と家族が同一視される傾向があり、家族が社会からいわれのない偏見や排除を受け、精神的にも、社会的にも極限まで追い込まれてしまうケースが後を絶ちません。

そのような歴史を繰り返さないために、これまで刑事加害者家族が守られるべき対象として認識されてこなかったことに対する問題提起をし、家族だけですべて背負い込んで追い詰められてしまうことがないように、必要な支援について考えることが、本シンポジウムの目的です。

 

一年の準備期間を通じて、毎月、委員会を開き、刑事加害者家族の支援に携わっている方々をお招きして勉強会を行ったり、独自に実態調査や、諸外国の制度、関連する裁判例・文献についてリサーチする等の研究を重ねてまいりました。その活動成果をまとめた報告書は、約200頁に及ぶ大作となり、類書のない貴重な資料になっております。

 

本シンポジウムでは、委員より活動報告を行った後、基調講演、パネルディスカッションを行いました。私も、「医療・福祉の専門家による刑事加害者家族支援の実践」「弁護実践」という二つのテーマについて、報告をさせていただきました。

 

会場・オンライン併用の形にて開催し、関弁連所属の先生方をはじめ、多くの方々にご参加いただきました。

 

一年間、委員全員でこの問題に真摯に向き合い、考えてきたことをこれからの弁護士としての職務に活かしてまいりたいと思います。

 

 

弁護士法人ルミナス法律事務所

弁護士 神林美樹

 

刑事事件・少年事件を専門的に扱う
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