執筆者

弁護士法人ルミナス 

弁護士 大橋 いく乃 が執筆しました。

はじめに

ご依頼者の中には、発達障害を持っており、その影響で事件に至ってしまう方が一定数いらっしゃいます。ご本人が、発達障害のような精神障害を持っている場合には、その特性に合わせた弁護活動が必要となります。

 

 

発達障害とは

発達障害支援法では、発達障害とは自閉症、アスペルガー症候群その他広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動傷害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発言するものとして政令で定めるものとされています(同法2条1項)。

主なものとしては、自閉症スペクトラム障害(ASD)、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)などが挙げられます。

 

 

障害特性の事件への影響

発達障害を持つ方の特性として、コミュニケーションをとることの苦手さや行動のパターン化、行動パターンを変えられることへの大きな抵抗、強いこだわり、衝動コントロールの苦手さなどが挙げられます。

そして、このような障害特性が影響して、事件に至ってしまう場合もあります。

たとえば、ご本人の行動パターンの中に、万引きや盗撮といった違法行為が含まれてしまうと、それをやめることが非常に困難となり、常習化してしまうことがあります。また、障害特性から、衝動性を制御することに困難を抱えている方もいらっしゃいます。衝動的な行動に出やすいことから、暴力行為やわいせつ行為などを抑えることができず、事件に至ってしまうこともあります。

 

 

障害特性を踏まえた弁護活動

上述したような特性がある方の場合には、各特性に応じて、弁護活動をすべきです。

発達障害を持つ方の中には、曖昧な概念や抽象的な表現が苦手な方もいらっしゃることから、まず、お話をさせていただく際にはきちんと真意が伝わるように注意します。

また、障害を持つ方は、捜査機関からの取調べに対し、迎合的に話をする傾向があります。そこで、捜査機関に対し、いかなる事件であったとしても、録音録画を実施するよう求め、適正な聴取が行われているか確認します。

公判段階では、障害特性による影響について、裁判所に対し誤解のないよう伝える必要があります。必要以上に過大に伝えることで、それに対する適切なフォローがなしえないとの心証を与えてしまってはいけません。障害特性による事件への影響を適切に伝え、それに対する必要十分なフォロー体制が組まれていることを立証します。そのために、更生支援計画を利用する場合があります。(更生支援計画についての詳細はこちら。)

 

 

終わりに

発達障害を有する方には、一定の傾向・障害特性を踏まえた弁護活動が必要になります。そのためには、弁護士によるそのような傾向や特性への理解が不可欠です。

発達障害を持つ方の中には、曖昧な概念や抽象的な表現が苦手な方もいらっしゃることから、まず、お話をさせていただく際にはきちんと真意が伝わるように注意するようにします。

当事務所では、発達障害を有する方の弁護の経験を複数有し、かかる弁護活動に精通した弁護士が在籍しています。

発達障害を持つご本人が事件を起こしてしまったという場合には、是非一度ご相談ください。