記事を執筆した弁護士

弁護士法人ルミナス 代表
弁護士 中原 潤一

弁護士法人ルミナス代表弁護士。日弁連刑事弁護センター幹事、神奈川県弁護士会刑事弁護センター委員、刑事弁護実務専門誌編集委員等を務め、全国で弁護士向けの裁判員裁判研修の講師を多数務めている。冤罪弁護に精通し、5件の無罪判決を獲得。少年事件で非行事実なしの決定等の実績を有する。逮捕・勾留されているご依頼者を釈放する活動、冤罪事件の捜査弁護活動及び公判弁護活動、裁判員裁判等に注力している。

「再逮捕」とは

法令上再逮捕という逮捕の種類は存在しません。しかし、講学上、再逮捕という概念は存在します。

刑訴法199条3項及び刑訴規則142条1項8号では、同一被疑事実で再度逮捕する場合を想定した規定が設けられています。

本来は、同一被疑事実で再度逮捕する場合のことを「再逮捕」といいます。

 

 

マスコミでいわれる「再逮捕」とは

マスコミがいう「再逮捕」という言葉は、講学上の再逮捕とは意味が異なります。マスコミは、A事件で逮捕した後に別のB事件で逮捕する場合のことを「再逮捕」といいます。

マスコミがいう「再逮捕」がなされる場合の通常の流れは次の通りです。

A事件の被疑事実で逮捕し、その捜査段階における身体拘束期間満了日に、形式上一度釈放をします。その後直ちに再度B事件の被疑事実で逮捕をすることになります。

 

 

逮捕が何回も続く場合にはどうしたらいいか

余罪が多数ある場合には、逮捕が何度も続くことがあります。

逮捕令状の発付に対しては、現在の実務運用上は、不服申立ての手続きは認められていません。

その都度、粘り強く勾留されないようにするための身柄解放手続を行っていくことが重要となります。