記事を監修した弁護士

弁護士法人ルミナス法律事務所 埼玉事務所 所長
弁護士 田中 翔
慶應義塾大学法科大学院卒業。最高裁判所司法研修所修了後、公設事務所での勤務を経て、現在、弁護士法人ルミナス法律事務所埼玉事務所所長。日弁連刑事弁護センター幹事、埼玉弁護士会裁判員制度委員会委員、慶應義塾大学助教等を務めるほか、全国で弁護士向けの裁判員裁判研修の講師も多数務めている。冤罪弁護に注力し、無罪判決2件獲得。もし世界中が敵になっても、被疑者・被告人とされてしまった依頼者の味方として最後まで全力を尽くします。
弊所では、定期的に弁護士内で勉強会を開催し、具体的なテーマに即して、よりよい弁護活動のためには何をすればよいかという検討や振り返りなどを行っています。
先日の事務所内勉強会では、①控訴審弁護での工夫、②控訴審で原判決が破棄され執行猶予付き判決となった事例、③刑事訴訟法改正により新設された司法面接的手法による記録媒体の証拠能力に関する規定(刑事訴訟法第321条の3)について弁護士間で議論し学びました。
①まず、控訴審弁護全般について、どのような工夫をしているか・するべきか、議論しました。例えば、まず第一審判決の判断構造を正確に把握し、どのような点に問題があるのかを明確に把握し指摘するといったことです。控訴審では、第一審判決の中に、控訴理由の対象となる部分が存在するはずです。それを把握したうえで、最も効果的に裁判所に伝えるための工夫について共有しました。
②そして、実際に弊所の弁護士が担当した事件で、控訴審で原判決が破棄され執行猶予付き判決となった事例について、どのような創意工夫を行ったのかなどを弁護士間で共有しました。
第一審判決がどのような判断をしたのか、控訴審段階でどのような活動を行ったのか、そして控訴審判決はどの点を評価して第一審判決を破棄したのか、を中心に学びました。
このように控訴審について日々勉強することは、控訴審での弁護技術を向上させるために重要であることは言うまでもありませんが、それにとどまりません。
我々弁護人は、第一審の段階から、控訴審等を見据えて訴訟活動をする必要があります。控訴審弁護の視点から、第一審でこうすればよかった・こうするべきでなかったと振り返ることは珍しくありません。控訴審等の上訴審を見据えた弁護活動を実践するためにも、控訴審においてどのような弁護活動を行うべきか学ぶ必要があります。求める結果を得るために欠かすことができない研鑽だといえます。
③また、令和5年6月16日に成立した、刑事訴訟法の改正法によって新設された、聴取結果を記録した録音・録画媒体に係る証拠能力の特則(改正刑事訴訟法321条の3)について、条文の制定経緯と弁護人として念頭に置くべきことについて学びました(この条文の解説についてはこちらもご参照ください)。
まず、条文記載の要件等について確認し、法制審議会での議論も踏まえ、どのような点が問題になり得るのかを議論しました。成立した条文では、対象をいわゆる性犯罪に限定されておらず、被聴取者の年齢にも限定がされていません。弁護人として、安易にこの条文が適用されてしまわないよう、措置の内容や措置の実施主体、相当性等に問題がないかなどを慎重に検討し、誤った運用がされないようにする必要があります。
弊所では、今後も、最新の法改正に対応することはもちろん、第一審判決の刑が重すぎて不当だという事件に加え、無罪の主張をしていたのに有罪判決を出されてしまった事件や、証拠として採用するべきでないのに採用されてしまった事件など、あらゆる控訴審にも対応できるよう、幅広いテーマで日々研鑽を積み実際の弁護活動に役立てていきます。
皆様に最良の弁護活動を提供できるよう、弁護士一同研鑽を積んで参ります。
弁護士法人ルミナス法律事務所横浜事務所




