記事を執筆した弁護士

弁護士法人ルミナス 代表
弁護士 中原 潤一

弁護士法人ルミナス代表弁護士。日弁連刑事弁護センター幹事、神奈川県弁護士会刑事弁護センター委員、刑事弁護実務専門誌編集委員等を務め、全国で弁護士向けの裁判員裁判研修の講師を多数務めている。冤罪弁護に精通し、5件の無罪判決を獲得。少年事件で非行事実なしの決定等の実績を有する。逮捕・勾留されているご依頼者を釈放する活動、冤罪事件の捜査弁護活動及び公判弁護活動、裁判員裁判等に注力している。

目次

1.持続化給付金の不正受給とは
2.持続化給付金の不正受給は詐欺罪に該当し得る
3.持続化給付金の不正受給に関わってしまったら

 

 

持続化給付金の不正受給とは

最近、持続化給付金の不正受給が詐欺罪に該当し、逮捕されるといったニュースをよく耳にします。

当事務所にも、持続化給付金の不正受給に関わってしまった可能性があるというご相談があります。

そこで、持続化給付金の不正受給が詐欺に該当するのか、逮捕される可能性はあるのかという点について解説します。

 

持続化給付金とは

持続化給付金とは、新型コロナウイルスの影響により事業の収益が低下した企業や個人事業主を支援するため、中小企業には最大200万円、個人事業主やフリーランスには最大100万円を給付するものを言います。

 

持続化給付金の不正受給

持続化給付金は、個人事業主やフリーランスでも申請可能ですので、本当は個人事業を営んではないのに、これを営んでいるように装って、確定申告や売上台帳を適当に記入し、持続化給付金を申請して100万円を受け取ることが行われているようです。

 

持続化給付金の不正受給のスキーム

この不正受給のスキームは、組織ぐるみで行われることも多いようです。

そして、実際に受給させる人を、特殊詐欺の受け子のように大学生などを利用していることが多いように思われます。

簡単にお金が手に入る方法があるという情報をSNSや友人を通じて流し、持続化給付金の不正受給方法を指南し、給付された金額の数十%を手数料として徴収するようです。

 

 

持続化給付金の不正受給は詐欺罪に該当し得る

詐欺罪の該当性

上記のように、持続化給付金の不正受給は、本当は営業を営んでいないように営業を営んでいるように装って申請し、そのように誤信させてお金を振り込ませる行為ですので、刑法上の詐欺罪(刑法第246条1項)に該当し得ます。

 

持続化給付金の不正受給をしたら逮捕されるか

詐欺罪に該当し得る行為ですので、不正受給をしたら逮捕される可能性は十分にあります。

特に、確定申告書や売上台帳には本人の氏名や住所を記載しますから、捜査機関にとっては該当者を特定するのは非常に容易です。

ですので、持続化給付金の不正受給にかかわってしまった場合には、逮捕を回避することを考えなければなりません。

 

持続化給付金の不正受給の処罰はどうなるか

処罰がどうなるかという点については、現在事例が集積されていませんので、確実なことは言えません。

不正受給をしてしまった人については、全額を返済すれば、前科等がなければ直ちに刑務所に行かなくてよいという結論になることはあり得ます。

一方で、スキームを作って組織ぐるみで不正受給をさせている側の方には、厳しい処罰が予想されます。

 

 

持続化給付金の不正受給に関わってしまったら

以上のように、持続化給付金の不正受給は詐欺罪に該当する可能性がありますので、逮捕される可能性があります。

そのまえに、逮捕されないため、処罰をされないためにできるだけの活動をする必要があります。

持続化給付金の不正受給に関わってしまった場合には、弁護士法人ルミナスにご相談ください。

 

 

弁護士法人ルミナス法律事務所横浜事務所

弁護士 中原潤一